非常用発電設備の点検義務を怠ると?その罰則と危険性とは

一定の条件を満たす建物には、非常用発電設備の設置が義務付けられています。単に設置をすればそれで良いというものではなく、非常時に確実に運転ができるように整備・点検を実施することも法律で義務付けられています。非常用発電設備の点検・整備は単なる努力義務ではなく、違反をすると罰則が科せられてしまうので注意が必要です。

科学的な方法による適切な検査方法の見直し

非常用発電設備の設置と設備の保守・管理については、複数の法律によって義務付けられています。関係するのは、電気事業法(経済産業省)・建築基準法(国土交通省)・消防法(総務省)の3つです。それぞれの法律・法令では、点検の内容と法令違反の際に罰則が科される対象が定められています。
電気事業法第40条では、「技術基準に適合していないと認められる発電設備の設置者」が罰則の対象です。建築基準法第101条では、「検査報告をしない者又は虚偽の報告をした者」と規定されています。消防法第44条11号でも建築基準法と同じ内容が記されています。
非常用発電設備は法令に定められた点検や負荷試験を実施しないと、これらの法律により管理者や所有者が処罰される危険性があります。場合によっては各法律に基づいて複数の罰則が科されてしまう恐れがあるので、非常用発電設備の管理者やビルのオーナーは法令で義務付けられている点検の実施と報告をきちんと行うことが大切です。

負荷運転に変わる方法

電気事業法によると、非常用発電設備の能力が技術基準に適合していない場合に設備の設置者(オーナー)が罰則を受ける恐れがあります。例えば、点検・整備を怠って装置が故障して正常に運転ができないなどのケースが該当します。点検・整備を行わずに非常用発電設備の不具合を放置し続けると、「技術基準への適合命令又は使用制限」の罰則が科されてしまう恐れがあります。
電気事業法に基づいて設備の使用制限命令が出されると、ビルの電源を使用することが出来なくなってしまいます。もしも商業ビルや病院などの施設で電気設備の使用ができなくなると、施設自体を閉鎖しなければなりません。大規模な施設が使用制限命令を受けてしまうと多額の損害が発生し、ビルの入居者から多額の損害賠償を請求される恐れがあります。ビルのオーナーが信用を失うことで、事業を継続することができずに倒産してしまう可能性があります。
電気事業法の規定に違反しても罰金や拘留などの刑罰を受けることはありませんが、社会的な信用を失うことになりかねません。

実施間隔の変更について

建築基準法第101条では、非常用発電設備の検査と報告が義務付けられています。もしも建築基準法で義務付けられている検査と報告を怠ると、「検査報告をしない者」か「虚偽の報告をした者」が100万円以下の罰金に科せられる恐れがあります。これは検査を実施したように装って報告書を偽造したり、点検を実施しなかった場合などが該当します。
法律で定められた点検を実施しないと、施設の管理者やオーナーが処罰される可能性があります。注意点は、施設のオーナーや管理者だけでなくて非常用発電設備の点検業務を実施する担当者も処罰される恐れがあることです。
建築基準法に違反して設備の点検を実施しなかった場合の罰金の上限は100万円で、交通違反の反則金と比較するとかなり高額です。ちなみに自動車の「酒気帯び運転」をした場合の反則金の上限は50万円で、100万円以下の反則金が科されるのは「酒酔い運転」です。非常用発電設備の点検を怠る行為は、泥酔状態で自動車を運転した場合に匹敵するほどの高額な罰金が科される危険があるので注意が必要です。

負荷運転実施基準の緩和と検査方法の厳格化

消防法第44条11号でも建築基準法と同じように、法律で定められた方法で非常用発電設備の点検を実施して報告を行うことが義務付けられています。点検や報告を怠ると、施設のオーナー・管理者・点検担当者などが「30万円以下の罰金」または「拘留」される恐れがあります。建築基準法よりも罰金の金額は低いのですが、「拘留」される危険があるので注意が必要です。
消防庁や消防署長は「特別司法警察職員」なので、警察官や検察官と同じように捜査権・逮捕権が与えられています。悪質と判断された場合には、逮捕されてしまう恐れがあります。
罰金刑や拘留以外にも、消防法に違反すると違反対象物がホームページ上に公表されてしまう恐れがあります。公表される恐れがある施設には、映画館・飲食店・物販店・ホテル・病院・社会福祉施設などのように多くの人が利用する建物が含まれます。ホームページ上で違法施設として公表されてしまうと、改善しても社会的な信用を失ってしまいます。最悪の場合、事業を継続できなくなって廃業しなければならなくなる恐れがあります。

まとめ

非常用発電設備の点検は、電気事業法・建築基準法・消防法の3つの法律で義務付けられています。法律に違反するとそれぞれの法律に基づいて罰則が適用され、罰金刑や拘留が科されてしまう恐れがあります。消防法に違反するとホームページ上で公表される恐れもあるので、社会的な信用を失うリスクもあります。非常用発電設備の点検を怠ることは、非常に危険な行為であることを理解しておきましょう。