発電機の仕組みと導入

発電には様々な方式がありますが、特に汎用性が高く始動性が良いために、非常用として適切な発電機は、内燃機関を原動力とする発電機です。
こちらではディーゼル発電機とガス発電機、2種類の内燃機関発電機を中心に発電機のしくみついて簡単にご説明します。
ディーゼル発電機の特徴

文字通りディーゼルエンジンを主機関とする発電機で、最も普及している標準的な発電機です。
特に産業用として利用される発電機は、大きなトルクを持つ船舶用エンジンが採用されます。
常時変動する電力需要による負荷に対し、安定電力を出力できるので、簡単にブレーカーが落ちないという特徴を持ちます。そのタフな造りから長期使用が可能で、財産としての価値は高い物になります。
ガス発電機の特徴
船舶用ディーゼルエンジンをベースに、より環境負荷の小さい天然ガスなどを燃料としたエンジンです。排出ガスはクリーンで低微粒子になり、硫黄酸化物などを排出しません。現在ではLPGや自噴ガス、メタン発酵ガスなど燃料の多様化に対応が図られています。ディーゼルエンジンに比して静粛性が高く、低振動、燃料が低コストで調達可能です。

設置場所自治体の条例により大気汚染に対する規制が存在し、軽油などを燃料とするディーゼル発電機の使用ができない地域があります。その場合はガスエンジンやガスタービン発電機を用いる以外にありません。
発電の仕組み
ディーゼル、ガスともにエンジンにより得られた運動エネルギーを電気エネルギーに変換する必要があります。その中心を担うのはオルタネータです。

つまり発電機と一般的に言われるものは、運動エネルギーを発生させる動力機関と運動エネルギーを電気エネルギーに変えるオルタネータとセットになった装置といえます。
発電機の種類と選定
発電の回転数と負荷による影響
発電機の回転数=周波数です。50や60Hzの周波数はエンジンの回転数が直接関係しています。即ち、あらゆる負荷に耐えながら一定の回転数を守り続ける必要があります。周波数変動は電力を使用する機器に致命的なダメージを与える事があります。


発電する動力としてエンジン特性が重要

発電機は電力を使わなければ一切発電しません。電力の需要が発生すると同時に発電し、エンジンに負担がかかり、需要が減るとその逆になります。この瞬時に燃料調整をして一定の回転数を守る訳ですが、自動車に例えると同じ速度で急坂を上り下りする事に似ています。但し、自動車エンジンではこの様な急激な重負荷には耐えられない事は明白です。

ディーゼルエンジンは大きく分けて2種類
発電機用に用いられるエンジンは主にトラック用エンジンと船舶用エンジンに分かれます。

回転数を上げて力を出す【トラック用エンジン】
トラック用エンジンを流用する事で安価な発電機を作る事ができますが、難点として大きなエンジンが無いので出力が小さい発電機のみ対応できる事と回転数を上げて出力するエンジンですので発電機としてのトルクが乏しい点です。

トルク重視の【船舶用エンジン】
そこでトルクフルな舶用エンジンが登場する訳ですが、一定の回転数を長時間持続させる船のエンジンは正に発電機の為のエンジンとも言えます。急激に変動する電力需要にたいして、回転数変動を許さない非常にタフなエンジン特性は発電機にとって重要な役割を持ちます。トラック用エンジンにたいして数倍の価格にはなりますが、信頼度の高さはもちろん非常に高い資産価値となります。


機種選定は使用電力量に対する負荷率が重要
 発電機の原動力はエンジンです。自動車でも1速でアクセルを踏み続けるとどうなるでしょう。
使用時間や負荷率を効率よく設定し、それらに合った大きさの機種を選定する事が重要です。
発電機からの電力供給先に起動電流の大きいモーターなどが存在する場合はそれの特性を知る事から始まります。モーターの始動方法では7倍にまでも膨れ上がる直入れから始まり、リアクトル始動、スロースターター始動、インバーター始動などがあります。
それら設備仕様を基に需要電力の計算をし、必要な合計電力量を算出します。
次に発電機からの電力を使用する時間ですが、非常用か常用として使用するかで発電機の大きさが変わってきます。
例:
非常用として1日数時間=発電機定格出力の70~80%までの負荷率。
常用使用として8~24時間以上の連続運転=50~70%以下の出力。
即ち、常用で使用する場合は大目の産業用発電機を選定する必要があるという事になります。

単線結線図や設備仕様書などを頂ければ弊社にてコンサルする事が可能です。お問い合わせ下さい。



発電機の用途
1) 停電時(非常時)の【バックアップ】
■商用電力が途絶えた緊急時に保険として電源供給する目的で設備します。短時間の停電を回避する為に1日に数時間の運転を行います。
■始動は手動と自動など様々な方法があります。発電機の始動には数十秒必要です。
■無停電接続にはUPS(大型バッテリー)が必要となり、発電機が立ち上がる間の電力を供給します。


2) 契約電量を抑える【ピークカット】

■契約料金は、年間で一番使用量が高い時の値が翌年の年間契約料金になります。
■電力消費の多い時期に一部の電力を発電機から供給する事により、年間の使用最高値を抑えます。
■需要家様のデマンドを基に電気担当者と入念な議論が必要となります。まずはデマンド内容を熟知している担当の電気主任技術者へご相談頂く事をお勧めします。
前年同月電気料金÷(今年同月電気料金(出力kW x 運転時間 x 計画運転日数 x 今年電気料金単価))x100%=削減率

3) 売電を目的とした【発電所】
■自噴ガスやバイオ燃料などの燃料を安価に確保する事が可能であれば、売電により利益を生む事ができます。但し、以下のような懸念材料が横たわります。
■燃料成分や流量の安定化
■成分によるメーカー保証の有無
■電力買取価格の不透明要素
■自噴ガスでは埋蔵量の特定など


4) 常時供給を目的とした【常時電源】
■常に発電機から電源を供給する設備。
■ランニングコストが低いガスエンジンなどで、常に発電する事により電力会社からの供給が難しい場合の電力供給を可能とします。
■長期停電などに対する安定化電源の供給。

発電コスト
■電力会社からの購入コスト例  (1kWあたり)
 20円 → 値上後 → 23円 (基本料含む)

■kWあたりの発電コスト例  ※保守費用別途
 ガス・・・・・・・約23円 (13A/85円N㎥使用時)
 A重油・・・・・約24円 (85円/L使用時)
 軽油・・・・・・・約33円 (120円/L使用時)

上記は弊社発電機を用いた場合の参考コストであり、運転環境や負荷率により変動します事をご理解下さい。また、発電コストにはイニシャルは含まれておりません。



導入と設置工事

■電力会社からの購入コスト例  (1kWあたり)
 20円 → 値上後 → 23円 (基本料含む)

発電機の導入には様々な要素が絡む総合的なエンジニアリングとなります。ところが、発電機についてユーザー様の基本的な知識は皆さん持ち合わせないものです。
産業用発電機は、ポータブル式発電機のように接続すればすぐにつかえる設備ではなく、専門家による複雑な現場条件を熟知しなければ設置できません。

機材選定は対象物件でのデマンド変化や特性に合わせ、発電機の容量や電圧を決定しますが、大型のインバーターモーター等から発生する高調波は発電機から出力する正弦波を壊す事があるので、それらを含めた需要家の特性を調査する事が大切です。


設置までの官庁申請
経済産業省及び設置場所の所轄消防署に対して行います。
常用、非常用。ばい煙発生施設に該当するか否かで手続きと内容が違います。
発電機の燃焼能力(1時間あたりの燃料消費量)により、ディーゼルエンジンは重油換算50L/hr以上、ガスエンジンは35L/hr以上で、ばい煙発生施設に該当し、経済産業省
産業保安監督部まで、以下の届出が必要になります。
・ 工事計画届出書
・ ばい煙に関する説明書
・ 保安規定変更届出書
ばい煙発生施設に該当しない発電機の場合は、保安規定変更届出のみとなります。
常用発電機の場合は、ばい煙に関する説明書に燃料使用計画を追加する必要があります。

所轄消防署への手続きは、発電機設置届が必要です。
またディーゼルエンジンの場合は、燃料タンクの大きさと燃料の種類により、少量危険物貯蔵取扱届出書の提出が必要になる場合があります。
届出に伴い、防油堤の設置(写真参照)と容量、添付資料など、詳細は自治体により差異があり、発電機を設置する場所の所轄消防署に問い合わせる必要があります。


設置、施工について
自家用発電機の設置にあたり、騒音、振動、排気、可燃物である燃料を大量に貯蔵することから、設置については、消防法や建築基準法に準拠する必要があります。
対象となる建築物について、自治体の条例が適用される場合もあります。
建物からの保有距離や屋外設置する場合の発電機ケース(キュービクル式)の基準が設けられていますので、設置場所の自治体や所轄消防署との打合せを慎重に進める必要があります。