自家発電設備とは?

「自家発電」とは、電力会社からの電力供給の有る無しに関わらず、消費者(家庭や企業など)が何らかの発電設備を用いて自ら発電を行うことを指します。近年、省エネルギーと非常時のレジリエンス(強靭性の意味。供給のエネルギーに頼らず自立して生活できること)強化の面で注目されつつあり、自家発電の価値はさらに高まりつつあります。

自家発電設備といっても、常に稼働させ電力を利用する「常用」と、停電など非常時に予備電源として用いる「非常用」に分けることができます。

1.自家発電設備とは?

文字通りに「自分のところで電気を発電して使用する」為の設備になります。

以前にありました東日本大震災では、電力会社の発電量不足などの要因により各地で計画停電があり、この自家発電設備が注目されました。

自家発電設備には常用型と防災型(非常用)で区分されて、消防用設備等で用いられている一般的な自家発電設備は防災型で専用の外箱(キュービクル)に原動機(エンジン)と発電機が設置されているキュービクル式の自家発電設備が多いと思います。

この他に不燃専用室(発電機室など)に設ける原動機と発電機が露出しているもの(オープン型自家発電設備)もあります。

まずは、オープン型の非常用発電機の概要と一般的に用いられる、キュービクル式の自家発電設備について解説いたします。

(1)非常用発電機の概要

電気設備が常に正常稼動するためには、品質の良い電源供給が不可欠である。日本国内の電力事情は非常に良好で、不測の停電の発生は少なく、雷撃や地震など、自然現象による停電の場合でも、長期に渡る停電が発生することはほとんどない。

しかし、

火災などが発生し、電力会社からの電源供給が途絶えた場合、設置している防災設備が動作できないことが考えられる。一定規模の建築物には、火災を消火したり、人が煙に巻かれないように、スプリンクラー、屋内消火栓、排煙機の防災設備が設置される。

これら防災設備は

【用途と仕組み】
非常用自家発電設備とは、一般的に、電力会社からの電力供給が途絶えた場合に、自動的に発電機を稼働させて発電を行うものです。

電力会社からの電力供給が再開すると、発電機を停止させ、再び停電に備えて待機します。

ディーゼルエンジンやガスタービン等の原動機を用いて文字通り非常時に発電を行い、停電時の電源を自前で確保することを目的とした設備です。

多くの事業所は電力会社から電気の供給を受けています。しかし、事業所内に非常用自家発電設備を備えることによって、万一、電力会社からの電力供給が途絶えた場合でも最低限の電力を自力でまかなうことができ、生産活動やサービスを継続することが可能となります(事業継続計画 BCP : Business Continuity Plan)。

また、無停電電源設備(UPS : Uninterrruptible Power Supply)と併用することで、電力会社からの電力供給が途絶えてから非常用自家発電設備による電力供給に切り替わるまでの間(10秒~40秒)、内部に備えた蓄電池(バッテリー)から電力を供給することで瞬間的な停電を防ぐことができます。

上記、参考写真はオープン型の発電機です。

(2)キュービクル式の自家発電設備

自家発電設備には、オープン型とキュービクル式というものがあり、室内などの場合はオープン型が多く、写真の様に建物外部に設置されているものは、キュービクル式の物がほとんどです。

常用、非常用の有無に関わらず、それぞれの建物の特性に合わせて、外箱(キュービクル式)にするのかを検討してくことが必要です。

2.自家発電設備の必要性

2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災では、東北地方の多くの地域で長時間にわたり停電に見舞われました。

「電気があって当たり前」という生活が一転し、不便さらには危険な生活を強いられた方々も少なくありませんでした。

一般家庭であれば、電気がなくても「困った」「不便」で済ませられるかも知れません。しかし、会社や工場などの事業所では、長時間の停電は、生産活動やサービス提供の停止を招き、顧客や取引先の信頼を失いかねません。また、公共施設・病院・金融機関・放送局・消防署・上下水道施設・ダム・県庁舎・空港・警備会社などの社会的責任のある組織や施設では、たとえ停電でもサービスを提供し続けることが使命でもあります。

多くの事業所は電力会社から電気の供給を受けています。しかし、事業所内に非常用自家発電設備を備えることによって、万一、電力会社からの電力供給が途絶えた場合でも最低限の電力を自力でまかなうことができ、生産活動やサービスを継続することが可能となります(事業継続計画 BCP : Business Continuity Plan)。また、停電時に限らず、常用自家発電設備を備えることによって、コストダウンやCO2削減が期待できます。

3.自家発電設備の種類

非常用発電機の原動機(エンジン)が非常時に電力を生み出す訳ですが、その原動機には種類があります。各種類の仕様と利点について、各種類ごとに解説いたします。
原動機を動かす燃料の多くは、ディーゼル式の非常用発電機は軽油またはA重油、ガスタービン式の非常用発電機はガスを用いております。

(1)ディーゼルエンジン

ディーゼルエンジンは、シリンダ内に吸い込んだ空気をピストンで圧縮し、高温となった圧縮空気中に燃料を霧状に噴射して自己点火を起こし、爆発燃焼させて動力を得る方式です。

ディーゼルエンジン非常用発電機は、20kVA前後の小型機種から1,000kVAを超える大型機種まで、多様なラインナップがある。断続的な燃焼による爆発ガスの熱エネルギーを、ピストン往復運動に変換し、クランク軸によって回転運動に変換するという機構で運転を行う。

非常用発電機の分野では非常に広く普及しており、発電機の周辺装置を簡素化するため、一般的にはラジエーター水冷方式が選定される。ディーゼル発電機は燃焼空気の排気に黒煙が多い、運転時の振動や騒音が大きいという問題があるが、比較的安価なため頻繁に採用される。周囲の空気環境に出力が調整させることは少なく、常に一定の出力を確保できる堅牢さも利点である。

ガスタービン発電機と比較し、潤滑油消費量が多い、軽負荷運転の効率が悪い、往復運動のため振動が発生するといった欠点がある。冷却装置の附置、据付面積が必要ど、建築的な負担が大きくなるというデメリットもある。

(2)ガスタービン

ガスタービンは、まず、圧縮機で空気を吸い込んで圧縮し、燃焼器で燃料を燃焼して圧縮空気を過熱します。高温高圧となった燃焼ガスは続くタービンで膨張仕事をし、熱エネルギーが機械エネルギーに変換されます。
振動が少ない、冷却水が不要などの利点もあります。

ガスタービンを搭載した非常用発電機は、ディーゼルエンジンと比較して黒煙が少なく、振動や騒音が小さく抑えられ、機器本体もコンパクトである。発電した電力は安定性が高く、軽負荷運転でも良好な発電を保つことができる利点がある。

燃料を多量の空気と混合して完全燃焼させるため、排気に含まれる一酸化炭素やNOxの量を大きく低減できるため、環境負荷が小さいという利点もある。ディーゼルエンジンのような往復運動機構ではなく回転運動機構のため、建築躯体に伝わる振動が小さく、躯体伝搬による騒音が小さいのも利点である。

しかし、機器本体が高価であること、給気と排気風量がディーゼルエンジンよりも大きいという欠点がある。給排気風量が大きいため、給気用のガラリや、排気ダクトなどがディーゼル発電機よりも大きくなり、建築的な制約も大きくなる。

ガスタービン発電機は、小型機での採用メリットが小さいため、500kVAを超える大型スペックが必要な案件で採用実績が多くなるが、500kVA以下の小中規模の建物用途では、ディーゼルエンジンの採用が一般的である。

4. 関係法令

非常用発電機を設置する場合は、関係省庁や自治体に対して設置工事の着手前や工事 完了後に届出等を行うことが義務付けられています。届出は経済産業省令に基づく「電気事業法」、消防法施行令に基づく「消防法」、国土交通 省の建築基準法施行令に基づく「建築基準法」、各地方自治体がそれぞれ定める「火災予防条例」があります。すでに設置されている場合は、これらの法に基づき非常用発電機は設置されております。

総務省ホームページ←こちらをクリック

(1)設置基準

【建築基準法による設置義務】
建築確認が必要な建築物のうち、特定の建築物の建築設備(非常用の照明装置、排煙設備等)については、防災上の観点から常用電源が停電した場合に備え、予備電源の設置が義務付けられ、その電源の一つが自家用発電装置である。

建築基準法では、建築設備を「建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、 暖房、冷房、消火、排煙若しくは汚物処理の設備又は煙突、昇降機若しくは避雷針をいう。」と定めています。

【消防法による設置義務】
建築物での火災の被害等を最小限度に止めるため、防火対象物の用途、規模等に応じて消防用設備等の設置が義務づけられている。このうち電源を必要とする屋内消火栓設備、スプリンクラー設備等には、常用電源が停電した場合に備え、非常電源の設置が義務付けられており、その一つが自家発電設備である。

【まとめ】
上記の設置基準から、非常時に作動しなければならない末端設備がついている建物には非常用発電機の設置が義務付けられております。その末端設備が必要な建物は、建物の広さや大きさや、収容人数、建物用途、などによって変わります。

(2)法定点検

発電設備の機能を維持するために電気事業法や消防法、建築基準法などの法令によって、維持管理に関する基準が定められています。規制の目的はあくまでも発電設備の機能の維持及び安全性の確保を図るということです。つり安全確保のためには、少なくともこれぐらいは必要であると いう基準が示されているのです。

法定点検は4つの方法があります。
・内部観察
・予防的保全策
・実負荷試験
・擬似負荷試験

このうちいずれかの点検を必ず実施しなければなりません。
なお、ガスタービン式の非常用発電機においては負荷試験(実負荷試験、擬似負荷試験)は必要ありません。